イオン ひんやり敷パッド

【イオン クール&ドライ敷パッド 1,628円】

この商品の一番の特徴は、この価格帯でもリバーシブルにしているということです。リバーシブル裏面のスペックもまずまずで、どちらも表面といえるレベルでしょう。また、バンドの色など細部にも気が遣われている商品です。

表生地は、目付は120g/㎡と薄いですが、ポリウレタンの入った伸縮生地にしていてひんやり感を感じやすくしています。ただ生地スペックは価格相応ですので触った瞬間の「ひんやり感」は弱く感じます。ストライプ柄がとてもカジュアルな印象です。

中ワタは、100g/㎡と少な目ですが、吸放湿ワタを使って蒸れを低減させる工夫をしています。とはいえ吸放湿ワタの量も30g/㎡と少な目です。

リバーシブルの裏面は、タオル地のシンカーパイルで120g/㎡とまずまずの目付です。そこに「抗菌防臭」「吸汗速乾」の薬剤加工がされています。価格の割には裏面にかなり気を遣った商品といえます。一方、柔らかさや肌触りのポイントとなるパイルの綿比率は20%と価格相応でした。

ヘムは高級感のあるチンチラです。バンドは普通ゴムで、強化ゴムに比べて固定力が弱いですが切れてしまうわけではないので問題はありません。面白いのは、カラーゴムにしているところです。カラーゴムは生産ロットの問題があり安い価格帯の方がやりやすいというのはありますが、この価格帯でのカラーゴムは珍しいですね。デザインは採点に加味していませんが、こういう細かい部分に手が入っているというのは見ていてうれしくなります。

この商品は、表面も裏面もどちらもお使いください、というリバーシブル商品です。実はタオル地のリバーシブルは原価的には安上がりで機能を追加できるところがあるんですが、そういうネガティブな理由じゃない本当のリバーシブルですね。リバーシブル裏面のタオル地は、目付も機能もしっかりしています。

【イオン クール&パイル敷パッド 3,278円】

この商品の一番の特徴は、「ひんやり感の持続」です。生地下の構造によって「ひんやり感」が少しの間持続します。また、商品名の通り、リバーシブル裏面のタオル地もしっかりとしたスペックなのでうれしいですね。

表生地は、ポリエチレンとナイロンの複合繊維を使った冷感の王道生地です。目付は170g/㎡とそれほど高めではありませんが、十分なひんやり感があります。なんといってもこの冷感持続の構造は、私のとある設計商品と同じ発想の構造で、さらにこの上位商品ともスペックですみ分けされているのが驚きです。

中の構造は、細かく分析するのはやめておきましょう。私の技術をさらすのはいいですが、イオンの商品はよく考えられている設計なので、設計者の邪魔をしたくないですよね。このやり方は、PCMシートのように表生地をかたくしないので使用感が損なわれないのが最大の特徴です。設計者に敬意を払いたいと思ってしまいます。しかし、ひとつだけ思うのは、中材の重量は十分ですが、中ワタはもっと増やしてもよかったのではないでしょうか。キルトが細かいのは、中ワタのボリュームを補助する目的と思われます。それにしても、設計者の高い技術を感じます。

リバーシブル裏面は、125g/㎡のタオル地のシンカーパイルです。目付は十分でしっかりとしています。「抗菌防臭」機能もあり、商品名の通りパイル面もぜひ使って欲しい商品です。柔らかさや肌触りにかかわる組成の綿比率は20%と、あまり高めではなく一般的でした。

ヘムは光沢を抑えたチンチラです。バンドは強化ゴムなので固定力もしっかりしています。ゴムバンドは厚みのあるベッドマットレスにも使える固定力の強い強化ゴムです。ブルーのカラーゴムを使っているのがデザイン上のポイントです。

この商品は「ひんやり感の持続」が一番の特徴です。冷たすぎない「ひんやり感」と「快適な持続性」があります。またリバーシブル裏面のタオル地もしっかりとしたスペックなので、どちらの面も使いたい商品です。ひんやり面は若干かための印象があります。

【イオン アイスコールド敷パッド 4,378円】

この商品の大きな特徴は2つあります。1つ目は「冷感持続性」、2つ目は「バンドがない」です。「冷感持続性・回復性」は3,278円と同点になってはいますが、「冷感持続性」はこの商品が最高得点です。ひんやり感も強く持続性もあるのでかなり快適に使用できる商品と言えるでしょう。また「バンドがない」という特徴は今後各社から発売されて増えていく機能を先取りしています。バンドがないということは着脱が速く洗濯前後の作業は削減できるということです。この裏面の滑り止めには一部に特許がある仕様があるため各社苦労して探しているという状況でしょう。

表生地は、ポリエチレンとナイロンの複合繊維100%という王道生地です。冷感のために作られた生地ですから「ひんやり感」「冷感持続性」「冷感回復性」を生地そのものにある程度備わっていると考えられます。目付も200g/㎡と厚めで冷感レベルはかなり高いといえます。数年前まではスペックが上がるとザラザラの見た目の地紋柄が出てしまったのですが、複合繊維の登場で見た目がスマートになりました。

中の構造は、3,278円同様に細かく分析するのはやめておきましょう。この商品も「冷感持続性」を追求しながらも表生地がかたくならない工夫があります。しかも、この商品の冷感持続性は3,278円よりもさらに高いです。「ひんやり重視」の方には、かなりおすすめの商品です。このレベルが今のひんやり敷パッドの「ひんやり感」のトップクラスでしょう。ただ、この商品ももう少し中わたの量を増やしてもよかったのではないかと思います。中わたが少ないことで少しかための印象です。腰部分のキルト間隔を狭めてポコポコ感を出そうとしているのは、この中わた量の少なさをカバーしていると感じます。

裏面は、通気性が高まる「3Dメッシュ生地」です。厚みが約2mm程度ある肉厚な3Dメッシュで、この2mmの空間がベッドとの隙間を作り出して通気性を高めてくれます。さらにこの3Dメッシュには「アクリル樹脂」が塗られており、滑り止め効果があります。カバーシーツなどの平生地の上では十分な固定力を発揮し、バンドをマットレスに引っ掛けなくてよい大きなメリットがあります。大概はベッドの片面は壁際ですから、壁際のゴムバンド引っ掛けは大変で時間が掛かりますよね。しかしゴムバンドはないと壁際の面倒な作業がゼロです。自然と洗濯回数が増えるかもしれませんね。ただ注意点としては、上の写真のよに3Dメッシュの上に敷くと効果が半減することです。上の写真のような凹凸生地のマットレストッパーをお使いの方は注意して購入してください。

ヘムは高級感のあるチンチラです。裏地は白の3Dメッシュ生地で、ゴムバンドはありません。

この商品は、ひんやり感や冷感持続性を追求した片面特化型の商品です。今シーズンの「ひんやり重視」の商品の中ではトップクラスの商品で、さらに、着脱しやすい「ゴムバンドなし」商品なので満足度はかなり高いことでしょう。実際は面倒でリバーシブルを使わないという方には、片面特化型の商品は本当におすすめです。税込みで4,000円を超えてくるので高価格帯の商品といえますが、満足度はかなり高いと思います。

【イオンひんやり敷パッドの総評】

商品を分解すればするほど私の中でのイオン商品の評価が高まっていきます。実はとても良い商品を販売しているのです。ショッピングモールが大きすぎて気が付かないんですよね。ショッピングモールのテナントスペースに軽寝具だけで出店してみたらよいのでは?と勝手に思ってしまいます。また、商品の採点とは関係ありませんが、私はパッケージにも注目していました。ちょっと触れるんですがあまり触らせない、衛生的で生地デザインも見えてちょっと触れる。このパッケージは参考になるなと思っていました。ただ一方でこのパッケージのせいなのか、夏場だからなのか、若干だけ中わた量が少なめに設計されている気がします。それにしてもイオンは新しい技術への取り組みも早く、寝具の買い場としてもっと注目されるべきだと感じます。

【採点について】

正確な温度を設定できる熱源装置を導入したことで、検査項目、検査方法を見直しております。これに合わせて配点が変更となり、当初の簡易設備での評価点と数字が入れ替わっております。今後も精度向上のために再試験した場合、評価方法や採点結果を予告なく修正する場合があります。ご理解ください。

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